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2009/02/09

Flowers for Algernon

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「ノーマライゼイション」' Normalisation (people with disabilities) '

正常化って・・・

もっと有態に言えばいいではないか。「障害者雇用」活動と。
何でも当たり障りのないカタカナにすることは、見事に物の本質を曖昧にする

ひょんなことから、雇用側の担当として係ることになった。障害者には障害者年金が支給されるが、それだけで生活していくことは実に困難だ。いわゆる就労支援作業所等で得られるのが月1万円程の収入しかないと憤ったヤマト運輸会長、故小倉昌男さんは私財を投じて財団をつくった。ほんとうに尊敬する人。また32年間養護学校を勤め上げ、今度は卒業生の行く末(親はいずれ先に逝くのだから)を案じその事業にいち早く参画したある先生に出会えたのもとても幸いだった。現場にどっぷり浸かってきた私が、初めて仕事上の利害を超え他の世界を知る機会になった。

しかし、講演会や就職面談会にいってみると、大抵は「スバラシイことをしている」「彼らは無垢ですばらしい」伝伝・・・と自分に酔っている企業担当者・支援者のほうが多い。もっともご多分に漏れず当初私も 「~みんなちがって、みんないい。」などと口走り、まったくもって勘違いも甚だしかった。無論、金子みすゞの詩に出会えたこと自体は良かったが。例えば、「蜂と神様」などの哀しみの詩は、なんとも心を捉えて離さない。

なぜ1.8%?

「障害者の雇用の促進等に関する法律」では「障害者雇用率制度」が設けられており、『常用雇用労働者数』が56人以上の一般事業主は、その『常用雇用労働者数』の1.8%以上の身体障害者又は知的障害者を雇用しなければなりません。 」

労働基準監督署ではそれをパート・アルバイト含む「全従業員」と捕らえるが、ここでいう『常用雇用労働者』とは「社会保険加入者数」のこと。その分母に対しての1.8%なので、逆算すると56人の事業所は1人雇用すべきであるとなる。おそらく1.8%の数値目標は、その計算から出てきたのだろう。

もっと生臭い話をしよう。

民間企業における昨年度の実績は1.55%。とりわけ、NPO株主オンブズマンの日本航空に対する「障害者雇用株主代表訴訟(1997-2001)」が他企業に与えた衝撃は大きい。

つまり、雇用側は1人不足すると毎月5万円の「障害者雇用納付金」が徴収される。たとえば1万人の大企業だとその額実に年間60億円。ただし、その金の運用についてははなはだ怪しい。助成金を申請に行くと暇そうなオヤジやオバサンが所在なげにずらりと鎮座ましましてるし、大体頭数が多すぎ。ぼったくられてるんだろうな障害者雇用行政でも。本来行くべきとこへ行くはずのお金は吸い取られ・・・>http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/01/... 逆に法定雇用率を越える人数に対しては、1人毎月27,000円の障害者雇用調整金が支給される(常用労働者301人以上)。また、実に様々な助成金制度が用意されている。業務遂行援助者の配置助成金、また特定就労困難者雇用開発助成金などなど。それらは、雇用主の非課税営業収益として計上される。

だから、大企業は障害者を囲い込んで「特例子会社化」するのがてっとり早い手段だ。しかし先の先生曰く「社会の中で健常者に混ざって働くこと」にこそ意味があると懐疑的だ。もっといえば彼らを養護学校に隔離して教育する必要などなく、最初から公立校に混ざって育てば所謂「健常者」も「つきあい方」がお互い学習できる。卒業していきなり、社会に適応しよう、させようという方が酷だとも。長年、養護学校を務めあげただけに説得力ある言葉だ。

こんなこともあった。障害者雇用のセミナーで、ある企業担当者曰く「雇ってははみたけどサボるし金はくすねるし懲りた。」 と、雇用に積極的で有名なジーンズ販売会社のパネラーが「それは健常者でも同じことでしょう」と一蹴。

しかし、仕事をしていく上では実にさまざまな問題がおきる。そんな時、彼らの家庭を知り立ち入ることが出来るのは先生のような支援者あってこそ、雇用側の私には到底及びもつかない。家庭での教育しつけの大切さは障害者であろうとなかろうととても大きい。「だからあなたの立ち位置は、彼らと企業の間にあればよいのです。ひろく浅く。長く続けられることが大切なのだから。」幸い活動を開始した6年前から続いている人が殆どだ。

こんな笑えない話もある。

有名デパートが勢い込んで雇用し、あえて案内係ブースに配置した。するとお客から苦情が来た。「なんて可哀想なことをするんだ。」 またこれは最大手の人材募集広告会社での実話。雇用率達成のため雇わなきゃとオフィスに配置。するとお偉いさん曰く「何を考えてるんだ君は。ここは社用のお客様も通るんだ(見えないところへ)すぐ席換えしなさい!」

たとえば、今までも希に「お客の私にはそんな(障害者雇用)の関係ない」と食ってかかられた事もある。大概の人は「あぁこの人は違うんだな。でも健気にここで働いてるんだな」と暗黙の了解がある。それとなく判り、大人の良識をと思うのは雇用主の甘えか。

また、こんなエピソードもある。かつて自分が「現場」にいたとき、たいていのクレーマーへの対応は経験してきた。が、これほどはらわたが煮え繰り返る思いをしたのは後にも先にも初めてだったのが以下。

一番重度の自閉症の従業員がある店にいた。言葉のやりとりは無理だが身体で作業を覚えていて、指示にはてきぱき反応し働いていた。彼は人の名前を覚えるのが得意で、一度紹介されたら必ず「○○さんこんにちは」と返してくれ、ビルの社食でもクルーの人気者だった。基本の仕事場はバックヤードだが、作業上表に出ることもある。大きな身体だから心配だったが不思議と器用にお客さんをよけたていた。

で、あるとき社長宛に一通の手紙が来た。「灰皿を要求したのに無視したのはけしからん。一体どうゆう教育をしてるんだ」

自分で理解できない場合、彼は社員の助けを求めることができるはずだが、えらい剣幕にパニックを起こしたのだろう。言い訳になるが、その時は社員の目も届かなかったようだ。謝罪の為のアポイントは外資系のホテルロビー、時間は昼前。やな予感がした。ロビーの喫茶店に案内し席に着くなりメニューをしげしげと眺め始める。「昼だからね」「いえ・・・こういう場合、規程で飲み物でと決っておりまして・・・」それでもひつこく眺め続ける。

彼の暴言「お前らがああいうのを雇うのは安くこき使う為だろう」「あんなの使うくらいなら外国人雇えよ、よっぽどきちんと働くぜ」こちらが障害者雇用の意味について話をしても通じるような相手ではない。ようは難癖つけてその日の昼飯にありつこうという魂胆。なんとももさもしい野郎だ。

ダウン症や自閉症など知的障害は遺伝に関係なく1000分の5程の確率で正規分布するという。現に親御さんのお話で兄弟姉妹は皆所謂「健常者」。奴に1000分の995の意味するところが判る事は一生ないだろう。

私はそいつの顔を真正面に見つめ、うわべで「お詫びの言葉」を並べながら最大の軽蔑の念力を送り続けた。後にも先にもあれほど人に侮蔑の意を持ったのは初めてだ。

「時給は普通の人より低いスタートがいいんです」とは先の先生の言葉。変に意気込んで同等にすると今度はどうしても同僚も「私と同じ時給?」と内心やっかんでしまう・・・という長年の経験から来る知恵。もちろん最低時給以上は払うし(除外条件にはなってはいるが)その人の働きぶりで昇給もしている。幸い、一緒に働く仲間は人それぞれなりにとても良くしてくれる。

--
元の職場の仲間たちは、実験により主人公の能力が高くなると妬み煙たがった。が、彼がもとの木阿弥になると、とたんにやさしくなった。

人情というものって・・・

アルジャーノンに花束を

コメント(9)

2009/02/10

CLASH 以前書いておられたクレーマー対応は、そういうお話でしたか。アルジャーノンに花束を 確かにそうなる。この先生もおっしゃっているように、それまで自分の日常の中にいなかったら、どうしても構えて不自然になるのは、最初はしょうがないと思うんですよ。どういう人かわかってくれば、普通に接するのが当たり前になるし、そういう慣れで他のそういう人にも普通になれる。 で、アルジャーノンはネズミの方の名前です(笑)

Poughkeepsie あれまホントだ、チャーリィ・ゴードンでしたか(ありがと訂正しておきます)

2009/02/11

Poughkeepsie そう例の秘密結社の非公開日記で(笑) 活動を始めた当初、あらゆるとこに顔を出し就職面談会にも積極的に出席しました。雇用面接には慣れていても初めて接する人たちなので、とても緊張しました。何回か行くと「あぁこの人はこの前も来ていたな。でも到底雇用は無理だけど。」でもやはり最初から話を聞き質問する。区がやっているこうゆうのは雇用側としてはとても不安なのです。なぜなら彼らの家庭バックグラウンドが見えないから、問題が起きていざとなったときのフォローが心もとない。有事には、親御さん・就労支援者・店長・私の4者面談で解決の糸口を見つけるしかない。特にお母さんの家庭でのしつけの力は大きい。

CLASH そこまで行くと障害者か健常者かなんて、もう関係ないですね。余談ですが、以前障害者でクルマに乗っている人の話を聞いたら、クルマに乗っていると、ドライバーが実は車椅子の人かどうかなんてわからないから、交通の中で1ドライバーとして普通の人と全く同じに扱われる、運転しててこれがうれしい って話してて、ああそうかと。

Poughkeepsie そうですね、「一人前に扱われる」。仕事の範囲は限られますが、現場で皆の役に立っているってモチベーションは大きいです。仕事の種類が増えるととても喜んでやってくれます。うちの現場での仕事の特性上、みな所謂知的障害者です。まだダウン症のように一目で分かる場合はいいのです。自閉症の場合、傍目に判らない場合も多い。軽い場合は会話が成り立つし自分がそうである自覚もある。えてしてそういう場合の方がトラブルは多いのですが。

2009/04/18

Poughkeepsie 役人が血税で儲け放題なように、「障害者雇用」の美名の下に吸血鬼も世にはばかる也。氷山の一角に過ぎないが>http://www.47news.jp/CN/200904/...

2009/04/20

CLASH これねえ、電気屋も博報堂も、自分たちが障害者を食い物にしてるってことをちゃんとわかってるんだろうかと。

Poughkeepsie 最低です、判って食い物にしてるんですよ。脱線します・・・物事を理解(input)できても、それを表現(output)できないということが「障害」と言えるのではないでしょうか(これは健常者も同じ) 今でも思い出すのが例の彼のあるエピソード。普通、本心からでも世間体にせよ「障害者」には優しい振る舞いをする。ところが、スタッフで唯一辛くあたる女の子がいた。彼もその雰囲気を痛い程、肌で感じてたんでしょう。で、なんとあるとき彼は彼女に仕事中「握手」を求めにいった。想像するにお母さんの「仲良くする」教育だったんでしょう。でも、当然逆効果に・・・彼女は強い拒否反応を示した。「ひょっとしたら、彼女の身内に障害者がいるのかもしれませんね。そういう例(自己嫌悪ならぬ身内嫌悪)はよくあります。私の娘も『お母さんがああいう人たちと仲良くするのは嫌』と言います」とは彼の雇用を一緒に進めた区の担当者。そのとき私はなんだかとても考えさせられました。

2009/05/28

Poughkeepsie 故小倉昌男さんにちなんで>http://sankei.jp.msn.com/affairs/...

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